ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

2022年 東レ パン パシフィックオープン 観戦記①

2022年9月17日 シングルス予選1回戦

奈良くるみ 6-0 6-3 二コラ・メリカ=マルティネス

奈良くるみ

 

今大会での現役引退を表明している奈良くるみ。彼女目当てでこの予選に足を運んだファンもいたのではないかと思います。かく言う私もその一人だったのですが、なんとデジカメにSDカードを入れ忘れるという大失態をやらかしてしまい、慌てて買いにいったので(近くのセンブンイレブンで売ってて本当に良かった)、試合は奈良が3-0でリードしたところから観始めました。

tennisclassic.jp

会場の様子。予選ですが結構お客さんが入っていました。

対戦相手のメリカはアメリカの選手でほとんどダブルスを専門にプレーしています。ダブルスのランキングは10位ですが、シングルスのランキングは持っていません。今季シングルスをプレーするのはこの試合が初めてという選手です。予選のエントリーリストに名前は無かったので恐らく枠が空いたから入ることになったのでしょう。

メリカ=マルティネス。USオープンでは足に大きなテーピングをしていましたが、この試合ではしてなかったのでもう大丈夫なのでしょう。

試合は今は238位までランキングを落としているとは言えシングルスプレーヤーである奈良とダブルス専門のメリカ=マルティネスとの差がかなり顕著に出た結果となりました。特に球際の強さに差があったように思います。メリカ=マルティネスは長いラリーになることを嫌ってか積極的に強打をしていきましたが、奈良のディフェンスが良いのでどんどん無理をして厳しいところを狙わなければならなくなり自滅というパターンが多かったと思います。

強打するメリカ=マルティネスでしたが…。

奈良はベースライン付近に留まって対処します

別角度からもう1枚。重心を下げて強いボールに対抗します。

奈良のショットに重心を高くさせられるメリカ=マルティネス

第2セットは奈良のサーブから始まり、第2ゲームのメリカ=マルティネスのサーブをブレーク。続く第3ゲームキープして3-0と序盤からリードを広げます。第3ゲームでデュースの末にようやくメリカ=マルティネスがサービスキープに成功。このゲーム以降、メリカ=マルティネスは奈良のフォアサイドに逃げるスライスサーブ多く使うようになり、それが多少は効果があった印象でした。しかし、ストローク戦における奈良の圧倒的優位は変わらず、お互いのサーブをキープしあう展開のまま6-3で奈良が第2セットを取って試合終了となりました。

第2セット序盤に出たスタッツ。奈良はメリカ=マルティネスの13本のファーストサーブが入って始まったポイントのうち、9本を取っています。逆に言えばこの時点でメリカ=マルティネスはファーストサーブが入っても4本(31%)しか取れていないということになります。

メリカ=マルティネスのスライスサーブに飛びつく奈良

恐らく急遽の出場であったのであろうメリカ=マルティネス。奈良についての情報もそれほど持っているわけではなかったのだろうと思います。劣勢でも最後まで「Come on!」と自分を鼓舞しながら戦う姿が印象的でした。

試合終盤に出たスタッツ。メリカ=マルティネスはだいぶサーブの数字を改善してきていますが、時すでに遅く。

メリカ=マルティネスの最後の粘りに対し、奈良も懸命に踏み止まります

勝利を決めた瞬間の奈良。喜びを爆発させるというより、噛みしめるようなガッツポーズだったのが印象でした。

奈良を抱擁するメリカ=マルティネス。恐らく奈良が今大会で引退なのは知っていたのだと思います。

お客さんの声援に応える奈良

オンコートインタビュー

試合時間わずかに58分という快勝でしたが、試合後のオンコートインタビューでは「かなり緊張していた」「良いプレーを見せられて良かった」と涙をぬぐう様子もありました。

勝利した奈良は本日の予選決勝でブルガリアのイザベラ・シニコバと対戦します。現在のランキングは222位、キャリアハイは133位という選手なので十分チャンスがありそうな気がします。

 

↓予選決勝の模様はこちら

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