2023年 木下グループジャパンオープン 観戦記④
2023年10月17日 シングルス1回戦
エントリー時点で96位だったダニエル太郎。これはその時点で西岡、綿貫に次ぐ国内3番手でしたが、何故か彼にはワイルドカードが与えられず今大会は予選からの参加になりました。ファンの間でもこの裁量を疑問視する声はありましたし、下の記事を読む限り本人も思うところはあったみたいですね。私はダニエルの予選決勝の試合を観ていたのですが、勝利の瞬間に雄叫びを上げる姿が印象的でした。なんとしても本戦にという思いがあったのだと思います。
彼にワイルドカードを出さなかった人達に一矢報いるには勝つしかありません。今回ほど勝たせてあげたい試合は無いと思い、応援に向かいました。
⇧コイントス。勝ったシェルトンがレシーブを選びました。
第1セットは両者のサーブのクオリティが明暗を分けたと思います。ダニエルは欲しいところでファーストサーブが入る一方、シェルトンは明らかにサーブの制球に苦しんでいました。ダニエルは最初のサービスゲームこそ落としますが、第2、第4ゲームとブレークバックし逆転して6-3でこのセットを獲ります。
⇧会場の様子。かなりお客さん入っていました。
⇧会場がどよめくほどのシェルトンの高速サーブ…だったにもかかわらず何故かスピードメーターはこの数字。ちょっと信用ならない感じでした。
⇧第1セットのスタッツ。シェルトンは10回セカンドサーブがあり、そのうち5回ダブルフォルトと安定していません。
第2セットも中盤まではダニエル有利だったと思います。しかし、全米ベスト4のジェルトンは流石でした。まずサーブを立て直してきましたし、リターンも返球率が上がってダニエルに簡単にポイントを獲らせなくなったと思います。セットの終盤ではそれまで苦しんでいたロングラリーでもポイントが獲れるようになりました。第10ゲームのダニエルのサーブをブレークし、6-4でこのセットをシェルトンが獲ります。
第3セットはダニエルにとって苦しい場面の連続でした。ラリー戦でもシェルトンの攻撃をどうにかダニエルが凌いでいるという感じで、ダニエルの方が主導権を取ったラリーというのはなかなか出来なかったと思います。それでもよくタイブレークまで粘ったと思います。しかし、タイブレークではもうダニエルに手札が残っていなかったという印象でした。
⇧攻めるシェルトン。守るダニエル
⇧第3セット唯一のブレークポイント。ここを獲れれば…という感じだったのですが、シェルトンの強烈なサーブに阻まれます。
⇧試合終了
有明の球足の速くてボールが弾まないサーフェースはダニエルにとってベストなサーフェスではなかったでしょう。その中でダニエルはよくシェルトンの攻撃を凌げていたと思います。このところなかなか結果が出ず苦しんでいるようですが、今日のプレーは素晴らしかったと思います。得意のクレーシーズンが来るまでは我慢のしどころなのかもしれませんが、これからの活躍を期待したいと思います。