2023年 GS YUASA OPEN 観戦記①
2023年9月23日(土)女子シングルス準決勝
桑田寛子 6-4 3-6 5-2 ret フェルナンダ・コントレラス
この日は東レパンパシフィックオープンの予選1日目と重なっていて、どちらを観に行くか迷ったのですが、私の好きなコントレラス(去年までは登録名はコントレラス ゴメスでしたが変わったようです)の試合が観られるので、こちらを選ぶことにしました。(コントレラスの試合の過去の観戦記は↓です)
対する桑田寛子は世界ランキング713位の選手で今大会はワイルドカードでの出場になります。私はこの日初めてプレーを観たのですが、フラット系のショットがベースの選手で、バックハンドでオープンスタンスを多用するのが特徴的な選手でした。
⇧フォアのグリップが厚い桑田ですが、ワイパースイングをせずにまっすぐ手首を返すフラット系のショットが持ち味のようです。
私が会場入りした時点で試合はもう始まっていて、その桑田が5-2と2ブレークアップでサービング・フォー・ザ・セットを迎えた場面でした。結果的にはこのゲームはブレークを許したものの、2回目のサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームを取って6-4で第1セットを取ります。
京都市体育館にテニスコートを敷いたこのサーフェスは、ボールがあまり高く弾まないようで、フラットが持ち球の桑田にとっては自分のショットを活かやすかったのではないかと思います。バウンド後に低く滑る桑田のボールに対し、コントレラスは特にフォアハンドでタイミングが上手く合わすにエラーする場面が多く見られました。
⇧会場の様子。本当に普通の体育館にテニスコートを敷いたサーフェスです。
しかし、第2セットは第2ゲームでコントレラスが先にブレークに成功し、流れを掴みます。このセットはコントレラスのサーブが非常に良かったです。エースが獲れるフラットサーブはもちろん、時折ワイドに切れるスライスサーブもミックスして桑田に的を絞らせませんでした。第1セットで2ブレークを許したとは思えない盤石のサービスゲームを展開し、第2セットを6-3でコントレラスが獲ります。
⇧サーブを打つコントレラス。
⇧去年の東レではあまり打ってなかったドライブ系のバックハンドもこの試合では割と使っていたと思います。
第3セットも第3ゲームで先にコントレラスがブレークに成功し、このまま一気にコントレラスが試合をものにする気配があったのですが、ここからコントレラスのファーストサーブの確率がガタっと落ちてきてしまい、第4ゲームですぐにブレークバックされてしまいます。さらに第6ゲームでも0-40という大ピンチを迎えるのですが、ここでコントレラスが左足首を捻ってしまうというアクシデントが起こります。メディカルタイムアウトを経てプレーを続行するのですが、ボールをまともに追うことができず、5-2のデュースの場面で棄権となりました。
⇧第3セットは緑のウェアに着替えた桑田。写真のオープンスタンスのバックハンドはよく使っていたので得意なのだと思います。
⇧やり取りが聴こえなかったのでわからないのですが、恐らくコントレラスの持ち物の中に彼女のものではない帽子が入っていたようです。
⇧第6ゲームのファーストポイント。ウィナーと思われたショットがアウトとコールされ、思わず頭を抱えるコントレラス。
⇧左足首を捻ってしまい動けなくなってしまうコントレラス。このままメディカルタイムアウトとなり、アイシングとテーピングが施されたのですが…。
⇧まともに動くことができず泣き出してしまう場面もありました。
⇧コントレラスのボールにペースが無くなったので桑田もやり難かったと思います。最後まで集中を切らさず良く頑張りました。
⇧試合終了
コントレラスは安藤証券オープン、ジャパンオープン、そしてこのGS YUASA OPENと3大会続けて日本でプレーしており、Instagramでは人生初の温泉を楽しんだという話をアップしていたりして、日本を楽しんでくれていたようなのですが、なんとも残念な幕切れとなってしまいました。
⇧帯同していたコーチと思われる人とコートを去るコントレラス。お客さんの拍手には手を挙げて応えてくれました。
一方で勝った桑田もワイルドカードからの決勝進出で本当はめちゃくちゃ嬉しかったと思いますが、その喜びを素直に表現するのがはばかれる雰囲気になってしまい、こちらもこちらで気の毒だったと思います。決勝戦では第2シードのランセラと対戦になります。