ダブルスファンの雑記

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2022年 楽天ジャパンオープン 観戦記①

2022年10月1日 シングルス予選1回戦

島袋将 6-3 6-4 添田豪

 

3年ぶりに楽天ジャパンオープンが開催されました。同週開催のアスタナオープンにだいぶ良い選手が流れてしまってがっかりしたりもしましたが、始まってしまえばやっぱり生でテニスが観られるのは嬉しくなってしまいますね。

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センターコートの第1試合には来月の全日本選手権で引退し、次期デビスカップ監督が内定している添田豪が登場しました。エントリーリストを眺めた感じでは出場が無いのではないかと思っていたのでこれは嬉しい驚きでした。対戦相手は島袋将です。島袋は先日のデビスカップの対ウズベキスタン戦で日本代表のエースでした。奇しくも次期デビスカップ代表監督と前回のデビスカップ代表選手が顔を合わせるカードとなりました。

センターコートのMCは鍋島アナウンサー(左)と辻野隆三さん。絶妙にグダグダな進行でした(笑)

コイントス。25歳の島袋と38歳の添田。13歳差の対決です。

ウォームアップの添田。美しい両手バックハンドは健在です。

現在の世界ランキングは添田474位に対し島袋355位とそこまで差があるわけではありません。しかし、試合内容としてはこれから選手として成長していく時期にある島袋と、選手としてのキャリアを終えようとしている添田とのフィジカルの差が出たように思います。それが特に顕著なのはディフェンスの場面で、添田は島袋に先手を打って左右に振られると成す術が無い一方、島袋は添田に多少揺さぶられてもカウンターショットで形成を逆転できることが多かったように思います。

 

試合の流れとしてはまず第4ゲームで添田がラブゲームでブレークを許します。直後の島袋のサーブですぐにブレークを返すものの、その直後の第6ゲームでまたサーブを落としてしまい、このワンブレーク差を埋められず第1セットは3-6で落とします。 

トスに勝った添田がレシーブを選択し、試合が始まります。

第4ゲーム0-40の場面で添田はネットに詰めますが、このボレーはアウト。島袋にブレークを許します。

フォアのカウンターを放つ島袋

守勢に回ると添田としては苦しいことが多かったです

第1セットのスタッツ。島袋のファーストサーブは50%しか入っていませんが、入れば73%ポイントが取れています。重要なところではきっちりファーストサーブが入っていた印象でした。

第2セットは添田のサーブで始まりました。動きがあったのは添田サーブの第3ゲーム。0-15の場面で添田が打ったグランドスマッシュを島袋が拾い、それに対して添田がドロップショットを打ちますがこれがミスになります。続くポイントは島袋にリターンエースを浴びて0-40。最後はネットに詰めるも島袋にバックハンドのパスを抜かれていまい、第1セット同様2巡目のサーブをラブゲームでブレークされてしまいます。そしてまた同じようにこのワンブレークを挽回出来ずに4-6で第2セットを落として試合終了となりました。

第3ゲームでの島袋のリターンエース。添田はポイントが欲しい場面ではデュースサイドのワイドへのスライスサーブを使っていましたが、これは結構島袋には読まれていた印象でした。

同じく第3ゲームの島袋のバックハンドのパッシングショット。この試合では島袋のディフェンスの良さが光ったように思います。

第9ゲーム。ウィナーを狙いにいったフォアがミスになってしまいうなだれる添田。これでデュースになってしまいますが…。

アドバンテージを取った後、最後は渾身の180km/hのサーブでエース。ごのゲーム、そしてこのポイントが添田のATPツアーで最後に取ったポイントになりました。

島袋のサービング・フォー・ザ・マッチの第10ゲーム。添田も懸命にボールを追いますが挽回ならず。

試合終了。添田が何かを笑顔で島袋に話しかけていました。

通例敗れた選手はすぐにコートを去りますが、これが最後のジャパンオープンということで添田もファンの声援に応えます。

ポストマッチインタビューの段取りを島袋に伝える鍋島アナウンサー

島袋のオンコートインタビュー

もちろん添田のオンコートインタビューもありました。

長年日本のテニス界を牽引してきた添田。ツアータイトルにこそ手が届きませんでしたが、日本国内で育った選手で世界ランク最高位47位というのはある意味では錦織圭以上に大きな影響を日本テニス界に与えた選手なのではないかと思います。引退してしまうのは本当に残念ですが、デビスカップ代表監督としての活躍を楽しみに待ちたいと思います。

news.tennis365.net

 

勝った島袋は本日の予選決勝で守屋宏紀と対戦します。