さようならバグダティス
バグダティスがウインブルドン2回戦でマッテオ・ベレッティーニに敗れ、現役引退となりました。
バグダティスと言えばやはり2006年の全豪オープンが印象的です。ロディック、ルビチッチ（現フェデラーのコーチ）、ナルバンディアンといった当時の強豪たちをのきなみ撃破して決勝に進出しました。決勝戦ではフェデラーに敗れてしまいましたが、良く走って鋭いカウンターを放つプレースタイルとずっとニコニコしている彼の表情は今でもよく覚えています。
一度だけ彼の試合を生で観戦する機会がありました。2016年楽天ジャパンオープン1回戦バグダティス vs グラノイェルスの試合です。この試合はフルセットでバグダティスが勝利したのですが、ちょっと変わった出来事がありました。
第3セットでグラノイェルスがワードバイオレーション（暴言を吐いたとする警告）を取られたのですが、グラノイェルスは自分はそんなことは言っていないと猛抗議。コートサイドで観ていた限りではグラノイェルスは確かに何か言ってはいたのですが、それが“暴言”に相当するものなのかはわかりませんでした。テニスでは選手の抗議で判定が覆ることはないので、当然このワードバイオレーションも覆りません。結局この判定を機にグラノイェルスは崩れて敗れてしまいました。
ところが試合後、なんとバグダティスが主審をつかまえて“グラノイェルスはそんなことを言う選手ではない。あの判定は何かの間違いのはずだ”と抗議をしたのです。相手選手への警告に対する抗議というは非常に珍しいことなので非常に印象的な出来事でした。
ここ数年は怪我で思うようなプレーができずしんどいシーズンが続いていたようです。娘さんたちと少しのんびりと過ごして欲しいと思います。長い間お疲れ様でした。
