J.シャルディ / F.マルタン vs M.グラノイェルス / H.セバリョス
2020年 マスターズ1000ローマ ダブルス決勝
グラノイェルス/セバリョス 6-4 5-7 10-8 シャルディ/ マルタン
シャルディ/ マルタンの勝負弱さが出てしまった気がします。第1セットも第2セットも先にブレークしたのはこのペアでした。いずれもグラノイェルスのサービスゲームをブレークしたのですが、続くマルタンのサービスゲームをいずれのセットでも落としてしまいました。第2セットに関してはブレークバックされた後。もう一度グラノイェルスのサーブをブレークしていますが、その時も続くマルタンのサーブを落としています。
マルタンは198cm、100kgという非常に大柄な選手です。有明で試合を観たときも結構パワーのある印象だったのですが、サーブのバウンド後の伸びが乏しいのかこの試合では結構リターンをクリーンヒットされてしまう場面が目立ちました。サーフェスや相手ペアのリターンが技術が高いなどの要因はあるのかもしれませんが、全仏に向けては暗雲の立ちこめるクオリティだったと思います。パートナーのシャルディもマルタンの苦しいときにイージーなボレーミスが出てしまうなど、上手く流れをつかめませんでした。
シャルディ / マルタンはこの試合では非常に珍しい作戦を取っています。第1セットではマルタンがデュースサイド、シャルディがアドサイドでリターンをしていたのですが、第2セット以降ではこのサイド入れ替えてプレーしていました。恐らく左利きのセバリョスのアドサイドでのワイドサーブに対し、シャルディのバックのリターン返球率が低かったのでサイドを入れ替えたものと思われます。
勝ったグラノイェルス / セバリョスはこれで今季出場したクレーコートの4大会全てで決勝に進出し、うち3つで優勝となりました。
他のサーフェースではサービスダッシュをする二人ですが、クレーではサーブ＆ステイバックでプレーしています。リターンゲームでも相手ペアの2ndサーブに対して2ステイバックを採用しており、このあたりは元々シングルスもプレーしていたクレーコーターらしい戦術です。実際、二人の突き球は強力で自分たちが構えてボールを打てるシチュエーションに持ち込めればポイントが取れるという自信を持ってプレーしているような気がしました。全仏でも優勝候補の筆頭となりそうです。
