ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

ジョコビッチ、君のユーモアはどこに行った?

全仏オープンが終わりました。ナダルが12回目の優勝、まさに“キング・オブ・ローランギャロス”です。ナダルの前の“キング・オブ・ローランギャロス”は3回の優勝を記録したグスタボ・クエルテンだったと思いますが、そのクエルテンの4倍優勝しているという(笑)。

 

さて、今大会で気になったのが準決勝敗退後のジョコビッチのコメントです。既に話題になっていますが、準決勝のティエム戦に敗れた後、強風の中でプレーすることになったことについて苦言を呈しました。

headlines.yahoo.co.jp

 

ティエムも同じコンディションの中でプレーしていたのだから条件は一緒、というのは確かに正論なのですが、ジョコビッチの気持ちも分かる気がします。ティエムとジョコビッチとでは、ボールにより強く回転をかけるティエムの方が風の影響を受けにくいプレースタイルですから、同じコンディションであっても有利不利は実際にあったのでしょう。

 

ただ、試合を行うことを決定した大会側を批判してしまったことは流石に不味かったと思います。上の記事で「彼らの方がテニスを知っているのだろう」とジョコビッチは皮肉を言っていますが、これは皮肉ではなくて紛れもない事実なのではないかと思います。この準決勝が行われた時点で既に雨によるスケジュールの遅延がありましたし、週末も雨の予報が出ていました(結局降らなかったけど)。大会側としてこの日に準決勝を少しでも進めておかないと決勝が翌週にずれ込んでしまう危惧があったのでしょう。基本的には週単位で行われるテニスの大会が翌週にずれこめば、大会運営に関わるスタッフ全員のスケジュールに影響しますし、観に来られなくなってしまうお客さんも大勢出てしまいますから大勢の人の不利益につながります。大会側としてはこうした都合を加味した上で、あの日に準決勝を行うという判断を下したのでしょう。まさにジョコビッチのコメント通り、大会側の方がどうすれば大会に関わるスタッフや観客について最大の利益を提供できるか「知った」上で試合をすることになったのだと思います。

 

同じ日に試合をして敗れたフェデラーは「ラファの方が風が少し弱かったかも」とジョークを言っていました。非常に対照的な対応だと思います。

headlines.yahoo.co.jp

 

ただ、こういうジョークやユーモアは元々はジョコビッチの十八番だったはずです。彼らしいユーモアはどこに行ってしまったのか…すこし寂しくなってしまう試合後のコメントでした。