R.ナダル vs D.フェレール
バルセロナオープン シングルス3回戦
Rナダル 6-3 6-3 Dフェレール
この日、錦織 vs アリアシムと並んで注目のカードだったナダル vs フェレール。緊張感のあるウォークオンでしたが、ウォーミングアップの際にフェレールが(スマッシュ練習用の)ロブを要求していないのにナダルがロブ上げてしまって思わずナダルが苦笑い、という和やかな場面もありました。
ナダルの膝の状態が不安視されましたが、蓋を開けてみればこの二人らしい激しいストロークの打ち合いが展開されました。
第1セットは、第1、第3ゲームの両方でフェレールのブレークポイントがありましたが、ナダルがいずれもセーブし、逆に第6ゲームのフェレールのサーブを長いデュースの末にナダルがブレークします。続く第7ゲームをナダルがキープするのですが、このゲームではお互い集中してたのか、サーブのレットのコールに気付かずラリーを続けてしまう珍しい場面もありました。
第8ゲームをフェレールがキープし、5-3ナダルのサーブの場面で降雨による中断となります。(この間にGAORAでは野球中継の延長で放送できなかった試合の序盤の模様を放送していたようですね。大変良心的だと思いました。)
中断明けの第9ゲームをナダルがキープし、第1セットは6-3でナダル。
第2セットは第1ゲームのフェレールのサービスをいきなりナダルがブレーク。第4ゲームでフェレールがブレークを返しますが、続く第5ゲームをナダルがすぐにブレークします。続く第6ゲームのナダルのサーブではVIP席の人達が遅れて入ってきたため、会場からブーイングが起こる一幕もありましたが、ナダルがキープし4-2となります。私が感動したのは第7ゲームでサーブをキープしたフェレールが力強いガッツポーズをしたことです。1セットダウンの1ブレークダウンでも諦めない、引退間近でも全力で戦うフェレールの強さを観た気がしました。続く第8ゲームは開始時点で雨が激しく降り始め、短い中断の後に始まりましたが、ナダルがキープして5-3。
第9ゲームのフェレールのサーブはダブルフォルトが2つあり15-40とナダルのマッチポイントを迎えます。ここでとても印象的な出来事がありました。フェレールの放ったバックハンドに対しラインズマンはアウトの判定をしたのですが、主審がボールマークを確認して判定がインに覆ります。その後主審が“リプレイ・ザ・ポイント”をコールしたのですが、ナダルがフェレールのポイントを認めて30-40となりました。最後の試合をクリーンなものにしたいというナダルの心意気が伝わる場面でした。この後はフェレールらしいカウンターショットでデュースまで戻したものの、結局ナダルが取って試合終了となりました。
試合終了後はもちろんフェレールに対するスタンディングオベーションです。バルセロナオープン最後の相手がナダルで、しかもいい試合で本当に良かったと思いました。フェレールがコートに置いていってしまったバンダナがあのあとどうなったのかはちょっと気になりましたが(笑)
フェレールのプレーはとても良かったと思いますが、前半は効果的に決まっていたバックハンドのフラットが中盤以降エラーになる場面が多かったのが痛かったです。これが決まってたらもっとナダルを苦しめた気がします。雨が降ってボールとサーフェスが重くなったのも球威で劣るフェレールに不利に働いたかもしれません。
もうこれが事実上の引退試合でもいいんじゃないかという盛り上がりでしたが、マドリードでもフェレールのラストマッチ相応の相手と当たって欲しいものです。個人的には最後にもう一度錦織との試合を観たいのですが…。なんにせよマドリードのドローを楽しみに待ちたいと思います。