ダブルスファンの雑記

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伊達公子の修士論文 オムニコート問題

伊達公子砂入り人工芝オムニコートが日本で普及したことの弊害を、大学院の修士論文でまとめたとのニュースを読みました。

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オムニコートがプロ選手を育成するうえで良くない、という話は以前からよく聞かれる話題でした。↓は2008年に書かれた元プロの長塚京子のブログです。今回の伊達公子の論文はこうしたテニス関係者がこれまでなんとなく感じていた問題を数値化したという点で価値があることなのだと思います。

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私は伊達公子の論文を読んだわけではないのでわからないですが、コスト面はどうなのでしょうか。オムニは管理がし易いサーフェースだと聞いています。どんなにハードやクレーの方が選手を育成するのに優れたサーフェースだと証明しても、結局管理の面でオムニコートを上回れないとオムニコート以外のサーフェースが普及していくのは難しいのではないかと思います。

 

また、このオムニ不要論でいつも気になるのはプロを目指す人ではない、一般のレクリエーションとしてテニスを楽しむ人々ことをどう考えているかということです。もし管理費が他のサーフェースより安価なら、コート代もより安価ということですからアマチュアにはメリットがあります。それに夏場にプレーするなら照り返しのきついハードよりオムニの方が望ましいです。スライドフットワークが使えるのもコートのカバーリングが容易になるメリットがあります。

 

こうして考えるとハードやクレーとオムニコートはどちらが優れているというより、そもそもの目的を異にするサーフェースなのではないかと思います。例えて言えばオムニは回転寿司で、ハードやクレーは回らないお寿司屋さんといったところでしょうか。オムニ不要論は回転寿司は魚の鮮度が悪いからダメと言っているようなものだと思います。世界で戦うプロを育成するためにはオムニは良くないのかもしれませんが、その理由だけでオムニコートが全面的に消えてしまうのはどうなのでしょうか。オムニと他のサーフェースとの住み分けを明確にすることの方が大切なのではないかと個人的には思います。