ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

錦織とグランドスラム

先の全豪オープンで錦織が準々決勝を棄権しました。

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棄権という判断自体は懸命だったと思います。テニス選手はアスリートであると同時に「職業」であり、自分のチームに給料を払っている「経営者」でもあります。安定的に試合に出続けられる状態を維持するということは、自分のチームの生活を守るために必要なことなので、ここで無理をして長期離脱になってしまうことを避けたのは責任のある判断だったのではないかと思います。

 

ただ、やっぱりグランドスラムのタイトルを取るのは厳しいのかな、とは思ってしまいました。というのも錦織がもう今年で30歳になる選手であり、肉体的なピークが過ぎていく過程に入っていると思うからです。

 

昨今はトレーニングや栄養学の進歩で、30歳になっても活躍する選手が増えました。ビック3は全員30代ですし、アンダーソンのように30代になってから活躍しだす選手も出てきています。ただ、人間が生物学的に進歩したわけではないので、肉体のピークが20代にあることは変わらないと思うのです。トレーニングや栄養の進歩はそのピークを持続する期間を延ばしてくれても、ピークの山の高さそのものは変えてくれないのではないでしょうか。

 

ここから飛躍的に錦織のフィジカルが向上することは考えにくいとすると、錦織の「回復が難しかった」「一番きついときに彼(ジョコビッチ)との対戦がくる」というコメントは、非常に重たい気がします。これまでのインタビューの言葉などを聞いても錦織はとても頭の良い人のようですから、このあたり厳しさは本人が一番良くわかっているところではないかと思います。

 

見ている側もグランドスラムを観るときに「錦織がタイトルを取れるかどうか」という期待をしながら観るのは、そろそろ終わりの時期が来るのを覚悟しなくてはならない気がします。

 

全豪に関しては(欠場した昨年を除き)2012年からずっとベスト16以上に進出しているそうです。向上は難しくても維持はできるなら「〇年連続ベスト16」みたいな活躍の仕方もありだと思います。チームの「経営者」としてもテニス選手としても大変優秀なことだと思います。