ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

M.ダニエル / P.オズワルド vs D.コプファー / T.サングレン

2021年 全豪オープン 男子ダブルス2回戦

ダニエル / オズワルド 7-6(4) 6-7(3) 6-2   コブファー / サングレン

 

ダニエル / オズワルドのペアは以前このプログでも取り上げたハイインパクトアスリートの活動で獲得賞金の寄付を公言している選手です。二人ともダブルス専門の選手なのでシングルスプレーヤー程稼げませんが、そんな中でも慈善活動に積極的なのは頭が下がりますし、応援したくもなります。1回戦はマナリノ / シモンというシングルスプレーヤー同士のペアを下し、2回戦もシングルスプレーヤー同士のペアの挑戦を受ける形になりました。

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このペアは非常に役割がはっきりしていて、オズワルドがサーブ、ダニエルがリターンを得意としているのですが、第2ゲームでまさかのオズワルドに2本のダブルフォルトが出てしまい、いきなりブレークを許してしまう苦しい立ち上がりでした。ダニエルもオズワルドも悪いプレーではないのですが、パワーのあるシングルスプレーヤー二人に形は作っても最後はパワーで押し切られてしまう場面が多かったように思います。結局そのブレークを返せないままサングレンのサービング・フォー・ザ・セットを迎えますが、ここでは1stサーブの入りが悪かったことに救われて土壇場でのブレークバックに成功します。

 

その後の4-5でのオズワルドのサービスゲームも、5-6でのダニエルのサービスゲームもどちらもデュースまでもつれた末の苦しいキープになり、このペアとしてはいまひとつ流れに乗り切れないままタイブレークへ突入します。しかし、タイブレークではセット終盤で何か主審と口論になっていたサングレンが集中を切らしたのか少しプレーが淡泊になり、それを逃さず早期にリードを奪うことに成功したダニエル / オズワルドが第1セットをものにした形になりました。

 

第1セットを取ったことで流れができたのか、第2セットはダニエル / オズワルドのサービスゲームの流れが良くなりました。スコアで競っていてもプレーの上では余裕があり、チャンスが来るのを虎視眈々と待っているような印象さえあったのですが、タイブレークの重要な場面でダニエルのダブルフォルト、オズワルドのボレーミス、そしてコブファーのスーパープレーが重なったことでこのタイブレークを落としてしまいます。

 

第3セットは第3ゲームのコブファーのサービスのブレークに成功。明らかにコブファーが集中を切らしたところでダニエル / オズワルドがたたみ掛け、第5ゲームのサングレンのサービスもブレークし、4-1とリードした時点で勝負ありという印象でした。

 

ダニエル / オズワルドはこれでチームとして初のグランドスラム3回戦に進出。オズワルド個人としては全豪オープン初の3回戦進出となりました。3回戦ではモンロー / ティアフォーのペアと対戦になります。

 

ちなみに前述のハイインパクトアスリートの活動で、ダニエルは賞金の10%、オズワルドは2%の寄付を表明しています。3回戦進出での獲得賞金は(ペアの一人ずつに)32,500オーストラリアドルなので、ダニエルは日本円にして約26万円、オズワルドは約5万2千円分の寄付金をこの勝利で発生させたことになります。もし3回戦を勝利し準々決勝に進出した場合、賞金額は65,000オーストラリアドルで二人が寄付する金額の合算はさらに30万円以上上乗せされる計算になります。

 

コロナで経済格差が大きく出るであろうこの御時勢で、慈善活動はさらに重要さを増すことになるでしょう。頑張る二人をこれからも応援したいと思います。