ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

2024年 木下グループジャパンオープン 観戦記①

2024年9月23日(月)男子ダブルス予選1回戦

N.バリエントス / S.マンスーリ 6-3 6-2 望月慎太郎 / 柚木武

バリエントスはコロンビアの選手です。コロンビアのダブルスは長年カバル / ファラのペアが君臨していました。世界ランク54位のバリエントスは、その二人が引退した今、コロンビアのダブルスを担う存在です。先のデビスカップでも起用され、日本の望月 / 綿貫を下したのは記憶に新しいところです。身長175cmと小柄ですが、リターンが非常に良い選手だと思います。

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バリエントスとペアを組むのはチュニジアのマンスーリ。実はマンスーリがこのブログに登場するのはこれで2回目。2019年の慶應チャレンジャーでの試合を私は観戦しています。当時の彼のダブルスランキングは600番台。今週のランキングは64位ですから、この5年の彼の頑張りが伝わります。

doublesgeek.hatenablog.com

 

バリエントスとマンスーリはウィンストン・セーラムオープン、USオープン、前週の杭州オープンと組んでおり、ペアとしてこれで4大会目になります。

 

このペアに挑むのはワイルドカードで参戦する日本の望月 / 柚木ペア。望月とバリエントスにとっては直近のデ杯で対戦してすぐの再戦ということになります。このときの試合ではいずれも小柄な望月とバリエントスのサービスゲームをいかにキープできるかが一つの焦点になっていました。同じ二人が対戦する以上、当然同じことが起こると私は思っていたのですが、蓋を開けてみると最もサービスキープに苦しんだのは柚木でした。

コイントス。トスに勝った日本ペアがレシーブを選びます。

⇧サーブを打つことになったバリエントス / マンスーリはコートを選びました。恐らくサーブの強いマンスーリが風上からサーブを打てるようにするためだったのだと思います。

 

196cmで左利きの柚木は日本人選手としては相当強いサーブを持っている選手ですが、世界ランキング2桁台の二人は事も無げにリターンを返していました。第1セット第2、6ゲームといずれも柚木のサーブをブレークし5-1とリードします。最初のサービス・フォー・ザ・セットだったバリエントスのサーブこそブレークバックを許しましたが、第9ゲームのマンスーリのサービスをキープし6-3でこのセットを取ります。

⇧第6ゲームの柚木のサーブは40-40までもつれました。バリエントスがレシーブを打ち、ブレークに成功します。このペアはディサイディングポイントは基本的にバリエントスがレシーブをすると決めているようです。

⇧バリエントスはデ杯の時はほとんどサーブ&ステイバックでしたが、この試合ではサーブ&ボレーもある程度混ぜていました。

⇧セットポイント。マンスーリのエースと思われたサーブに対し、日本ペアがチャレンジ。結果判定通りインだったのでこの表情

 

第2セットは柚木のサービスからスタート。3本のサービスエースを決めてこのゲームをキープしますが、結果的には柚木がサービスをキープできたのは試合を通じてこのゲームのみ。

 

バリエントス / マンスーリは第3ゲームの望月のサーブ、第5ゲームの柚木のサーブをいずれもブレークに成功し4-1とリードすると、その後はサーブを順調にキープして試合終了となりました。完勝と言っていい内容だったと思います。

⇧実質的に勝敗を決定づけたと言ってもいい、第5ゲームの柚木サーブをブレークした場面。ブレークポイントではマンスーリのに当たり損なったリターンが入ってしまい、二人で謝っています。

⇧試合終了

⇧お客さんに応えるバリエントス

⇧バリエントスはすぐ引き上げてしまったのですが、マンスーリは少し残ってお客さんにサインをしてくれました。

 

バリエントス / マンスーリのリターンの強さがとにかく光ったと思います。スタッツを確認してみると日本ペアは1stサーブが70%入っていますが、入っても6割しかポイントに結びついていません。これはダブルスとしては低い数字で、バリエントスとマンスーリがリターンをただ返しているのではなく、日本ペアに攻撃をさせない有効なリターンが打てているということなのだと思います。

 

勝ったバリエントス/マンスーリは明日の予選決勝でエルラー / ミドルコープと対戦になります。