ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

2024年 木下グループジャパンオープン 観戦記⑨

2024年9月28日(土)男子ダブルス2回戦

A.ベハル / R.ギャロウェイ 6-7(6) 4-6 10-7 N.ラモンス / J.ウィスロー

錦織vsトンプソンの裏になってしまったので観ていた人が少なかったのですが、今大会で私が観戦したダブルスの試合では最もクオリティが高かったと思います。

 

両ぺアともとにかくイージーなミスが少なかったです。丁寧なボレーで確実にポイント積み重ねていくプレーが続きました。試合を通じてブレークがあったのは第2セットのウィスローのサービスゲームの1回のみで、両ペアとも手堅いサービスゲームを展開しました。

 

特に凄かったのはマッチタイブレークで、ミニブレークはわずかに1つのみ。それもコードボールになったリターンをラモンスがボレーミスしてしまったというもので、正直勝敗を分けたのは「運」だったと思います。

コイントス。トスに勝ったベハル / ギャロウェイがサーブを選びます。

⇧両手打ちフォアハンドで突き玉を打つベハル

⇧ベハルはバックハンドの方が得意なので、デュースコートにいるときも隙があればバックハンドに回り込みます。

⇧リターンを打つギャロウェイ。このペアはディサイディングポイントの時は必ずギャロウェイがリターンします。

⇧並行陣を組むギャロウェイとベハル。相手の突き玉をしっかり受けて、「ネットで粘る」ことが出来るのが二人のダブルスだと思います。

⇧試合終了

 

勝ったベハル / ギャロウェイは準決勝でドレイパー / マハーチと対戦…のはずだったのですが、直前のシングルスの試合でドレイパーが負傷しダブルスを棄権したので、決勝進出が決まっています。

 

以前も書きましたがベハル / ギャロウェイは今大会エントリー時点では本戦1番OUTで予選からの出場予定だったのですが、欠場者が出て繰り上がりで本戦入りを決めています。実は前週の杭州オープンでベスト4入りしていたので、もし今大会が予選からの出場になった場合には、日程がダブって出場出来なかった可能性さえありました。そこから対戦相手の棄権も重なっての決勝進出ですから、今非常にツイているペアだと思います。実は翌週の上海も本戦欠場ペアが出たことで繰り上がりでの出場を決めています。

 

ただもちろん運だけでなく実力も確かです。この試合のスタッツを確認するとセカンドサーブでのポイント獲得率が64%もありました。強いリターンのが打てるラモンス / ウィスロー相手に驚異的な数字だと思います。

 

本日の決勝ではキャッシュ / グラスプールと対戦になります。キャッシュはギャロウェイとUSオープンまで組んでいた選手なので、かつてのペア同士が対戦することになります。手の内を良くわかっている難しさはあるかもしれませんが、ベハル / ギャロウェイがこの2回戦と同じクオリティのプレーが出来るのであれば、間違いなく優勝できると思います。

 

ベハルは3回、ギャロウェイは2回のツアー優勝の経験がありますが、いずれもATP250のもので、今大会を制すれば二人にとってキャリア最大のタイトルということになります。