ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

2022年 全豪オープン 男子ダブルス 総括

全豪オープンが閉幕しました。男子ダブルスの優勝はコキナキス / キリオスでした。ウッドブリッジ / ウッドフォード以来25年振りにオーストラリア人同士のペアが全豪オープンを制したことになります。ちなみにワイルドカードで出場のペアがグランドスラムで優勝するのは2012年のウインブルドンマレー / ニールセン組以来のことで、全豪オープンに限って言えばオープン化以降でこれが初めてということになるそうです。

www.atptour.com


www.youtube.com

 

勝戦を観ましたが、コキナキス / キリオスのサーブの強さが際立ちました。結果的には相手に1度もブレークポイントを与えずに、自分達は1ブレークをものにするという理想的な勝ち方だったと思います。

 

久しぶりにシングルスの選手同士のペアがグランドスラムのダブルスで優勝するのを観た気がします。今回の優勝でコキナキスはダブルスランキングを338上げて46位、キリオスも219上げて40位になりました。とんでもない大躍進です(笑)。気になるのはツアーファイナルズです。正直なところダブルスに関しては1大会でもグランドスラムを制すれば、ほぼほぼツアーファイナルズの出場権を得られるので、仮にコキナキス / キリオスが残りシーズン全くダブルスをプレーしなかったとしても、ツアーファイナルズには出てくる可能性があります。そうなるとダブルスプレーヤー達のリベンジなるのか、それともこの二人がもう一度力を発揮できるのか楽しみになってきます。

 

少し気になるのが相手選手とトラブルです。2回戦のメクティッチ / パビッチの陣営とトラブルがあったようですし、準々決勝の相手だったビーナスからもクレームがついています。ダブルス選手同士は今日の対戦相手が来年はパートナーであることもあるので、基本的に皆マナーは気を遣う傾向にあります。その意味でキリオスの行動はダブルスプレーヤーには馴染まないところもあったのでしょう(とは言え、ビーナスの言っていることは割と的確だと個人的には思います)。

wowowtennisworld.jp

tennisclassic.jp

thedigestweb.com

 

負けてしまったエブデン / パーセルもいいプレーをしていたと思います。私が懸念していた立ち上がりのエブデンの硬さはあまりなかったと思いました。ただ、やはりここぞというところでは突き球の処理に劣るエブデンの側にコキナキス、キリオスが強いショットを打ってきた印象でした。エブデンにとっては悔しさが残る敗戦となったと思います。とはいえ、パーセルとのペアでグランドスラム2大会連続で16強入りですから、なかなか安定しているペアだと思います。恐らく今シーズンは続けて組むことになると思うので、特にハードコートでは注目のペアとなる気がします。

 

決勝に出たペア以外ではベハル / エスコバルのペアの活躍が個人的には嬉しかったです。彼らにとってはシードがついて初めてのグランドスラムで、そのシードを守ることが出来て良かったです。4回戦で結果的には優勝したコキナキス / キリオスに敗れましたが、キリオスは試合後のインタビューで彼らのサーブの精度を称えるコメントをしていました(この試合のベハル / エスコバルの1stサーブの確率は70%でした)。この試合を観たのですが、プレーもさることながらベハルのコートマナーの良さに私は感心しました。相手からの突き球に当たってしまっても嫌な顔をせずに大丈夫だと親指を立てるジェスチャーをしますし、相手ペアのショットがベハルの頭上をかすめてアウトになった場面では、ラケットにボールがかすっていたことを自己申告し相手ペアのポイントを認めていたこともありました。ベハル / エスコバルにとっては今後のクレーシーズンの方が得意だと思うので、ここからさらに上り調子で進んで行って欲しいと思います。

tennismagazine.jp