ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

さようなら、ロジャー・フェデラー

テニス界のレジェンド、フェデラーが引退を表明しました。

 
 
 
 
 
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正直、多くの人が覚悟をしていたことではあったと思います(↓のバモスわたなべさんのツイートがめっちゃファン心理を語ってたので貼っておきます)。

 

フェデラーが最後にツアーでプレーした昨年のウインブルドンの準々決勝、ホルカシュとの試合は誰もがフェデラーの限界を感じた試合だったと思います。もう身体が思うように動かず、トレードマークだった流れるような動きの美しさはそこにはありませんでした。一つの試合に勝つことはできても、一つの大会を勝ち切る力は残っていないことは明らかでした。(↓はその試合を観終えた後の鈴木貴男のコメント動画です。)


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引退するのであれば、ウインブルドンか地元のバーゼルを選ぶのではないかと思っていたのでレーバーカップを選んだのは少し意外でしたが、身体のコンディションに合わせて出場する試合数を調整できるレーバーカップは、今のフェデラーが良い状態でのプレーをファンに披露するには合っている大会なのかもしれません。同じ時代を築いたBIG4の4人と同じチームで戦うというのも感慨深いものがあります。個人的にはやはりナダルとのダブルスが観たいですね。正直、最後の試合はシングルスではなくナダルとのダブルスでも良いような気がします。

 

個人的にフェデラーの試合で最も印象に残っているのは2017年の全豪オープンの決勝の対ナダル戦でした。それまでフェデラーはとにかくナダルのフォアでバックを突かれると攻め手が止まってしまうというのが顕著で、正直もうナダルに勝つことはないのではないかと思っていました。ところがこの全豪ではそのナダルのフォアをバックハンドで綺麗に叩き返せるようになっていて、ストローク戦でナダルに主導権を渡さないフェデラーの姿がありました。当時のフェデラーは36歳。この年になって現役を続けているだけでも十分凄いのに、さらに進化を遂げ続けるフェデラーの凄さに感動したのは私だけではなかったと思います。

 

ナダルとはその全豪の後も対戦があり、結果的には通算40度の対戦がありました。戦績はフェデラーからみて16勝24敗と負け越しでしたが、最後となった2019年のウインブルドンではフェデラーが勝利しています。

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2018年のオープンでは現地で対西岡との試合を観戦する機会に恵まれました。もうこの試合はフェデラーがとにかく前にポジションと取り続けてひたすら強かった印象でした。

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せっかくダブルスメインのブログなので、ほかのメディアがあまり報じないであろうフェデラーのダブルスの話を最後にしたいと思います。実はフェデラーはダブルスでもキャリア最高で24位を記録しています。通算8度のツアー優勝もあり、この内3つは現錦織のコーチであるマックス・ミルニーとのペアで獲得しました。他には同世代でライバルだったサフィンとのペアでの優勝もあります。フェデラーが最後に獲得したダブルスのタイトルは、彼のキャリアを通じて最大のタイトルの一つでもある2008年の北京五輪でのワウリンカとのダブルスでの金メダルです。キャリアの終盤はほとんどデ杯とレーバーカップでしかダブルスはプレーしていません。彼が最後にツアーでダブルスを戦ったのは2015年のインディアンウェルズの1回戦で同じスイスのラマーとのペアでプレーし、マトコウスキ / ジモニッチのペアにフルセットで敗れています。パートナーのラマーはフェデラーの一つ年下の選手で、この試合が彼のキャリアラストマッチでした。

 

正直、フェデラーほどの技術のある選手ならダブルスだけならやっていけそうな気がします。アンディ・マレーあたりと組んでダブルスでもキャリアグランドスラムを目指して…みたいなことやってくれたら嬉しいですが、まあやらないでしょうね(笑)。

 

今年テニス界は男子でフェデラー、女子でセレナ・ウイリアムズというレジェンド二人が揃って引退を表明したことになります。ひとつの時代が終わったということなのでしょう。テニスファンからすると大変喪失感のある1年になりました。

2018年のUSオープンのフェデラー