大丈夫?今年のジャパンオープン
3年ぶりに楽天ジャパンオープンの開催が決まりました。公式サイトではすでにチケットの販売も始まっています。
テニスファンとしては大変嬉しいのですが、今年のジャパンオープンに選手はどのくらい来てくれるのか、というのは少し不安があります。今回はそのことについて書きたいと思います。
マスターズ1000上海が開催されない
テニスは基本的にヨーロッパのスポーツです。多くの大会がヨーロッパで開催されるので、拠点がヨーロッパにある選手が多数を占めます。そんな中で地理的にも遠く時差も大きい東アジアに選手がやってくる大きな要因が、グランドスラムに次ぐ規模の大会、マスターズ1000上海です。
楽天ジャパンオープンは例年マスターズ1000上海の前週に行われていました。多くの選手はいきなりマスターズ1000上海に出るのではなく、その前週に行われるジャパンオープン(もしくは北京オープン)にも出場し、東アジアの気候や時差に慣れてから上海に挑むというスケジューリングをしていました。
ところが今年は例年中国で開催されていたマスターズ1000上海を含む全ての大会がキャンセルされました。マスターズ1000上海が開催されないとなると遠くて時差もある東アジアにわざわざやってくる理由が無くなってしまうのです。
前後がヨーロッパの大会に挟まれている
例年ジャパンオープンの翌週に上海の大会が開催されていたのは既に書いた通りなのですが、実はジャパンオープンの前の週も中国での大会が開催されていました。この前週の大会も今年は無いのでジャパンオープンの前後で開催される大会は例年と全くちがうものになっています。以下が今年のスケジュールです。
9月26日~10月2日
10月3日~10月9日
- ATP500 楽天ジャパンオープン(日本/ハード)
- ATP500 アスタナオープン (カザフスタン/インドアハード)
10月10日~10月16日
- ATP250 ヒホンオープン(スペイン/インドアハード)
- ATP250 ユニクレジット フィレンツェ オープン(イタリア/インドアハード)
見ていただければわかる通り、ジャパンオープンの前週はブルガリア、翌週にはスペインとイタリアで大会があり、今年は前後をヨーロッパで挟まれています。イスラエルも中東に位置していますが韓国や日本に比べたら断然ヨーロッパに近いです。これまではジャパンオープンの前後は中国でしか大会が無かったので選手たちはこの時期は東アジアに来るしか無かったわけですが、今年は試合数を稼ぐのに東アジア以外の選択肢もある状況なので、わざわざ日本まで来る理由がここでもひとつ減るわけです。
全米後デビスカップファイナルのグループステージがある
ジャパンオープンは例年トップレベルの選手がドタキャンすることの多い大会です。というのも、ジャパンオープン自体がシーズンの終盤ですし、特に全米オープンで活躍した選手に関しては疲労が最もたまっている時期なので故障が発生しやすいのです。
今年は全米オープンの後にデ杯がスケジューリングされています。この時期にデ杯自体は前もあったのですが、それはワールドグループに入っていない=それほどテニスの強くはない国のプレーオフが開催されていただけでした。ところが今年はワールドグループ(上位国)の試合が総当たり形式であるというのが例年と違うところです。デ杯に出場する選手の絶対数が増えますし、ワールドグループの選手たちは総当たり形式なので試合数自体も増えます。デ杯は9月14日-9月18日の日程で組まれています。全米オープンとデ杯というビックイベントの立て続きをこなした選手達はものすごく疲労しているでしょうから、今年は例年以上に出場キャンセルが出てしまいそうな気がします。
とこんな感じで実は結構心配なことも多いのが今年のジャパンオープンです。とはいえやっぱり有観客で開催してくれるだけでも嬉しいし有難いのも事実なので、あんまり贅沢を言わずに開催を待ちたいと思います。