ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

楽天ジャパンオープン2019 観戦記④

2019.10.2  男子シングルス1回戦

J.ミルマン 4-6 6-3 6-4 A.マナリノ

 

本題に入る前にこちらの写真を観て下さい。

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これは試合開始前の10時半頃に広場で行われたライブパフォーマンスの写真です。例年ジャパンオープンでは、まだ駆け出しのミュージシャンと思われる方のこうしたライブがあります。いつも思ってしまうのですが、このイベントは誰得なのでしょうか。この会場に来ているお客さんは当然皆テニスを見に来ているので、立ち止まって音楽を聞く人などほとんどいません。写真のように閑散とした広場で歌うことになってしまい、なんだか気の毒だなぁと思っていたら…。

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ライブの直後に始まったこの試合でコイントスを務めたのが、その歌手の方でした。ちょっとうろ覚えなのですが“タマキミナミ”さんという方だったと思います(アナウンスのみなので漢字は分からず)。歌は当たり前ですが上手だったので、次はスポーツ会場じゃないところで歌わせてあげたいと思ったり。

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暑かったので日陰を中心に座るお客さん。この時間センターコートではゴファンvsカレーニョ ブスタの試合が行われていました。こちらの試合を選んだ人たちはやっぱりマニア寄りの人達なのだと思います。
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日向の暑そうなマナリノ陣営(左)と日陰のミルマン陣営(右)

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トスに勝ったミルマンがサーブを選択しました。

第1セットのストローク戦はマナリノが主導権を握っていたと思います。特に効果的だったのはマナリノのバックハンドだったと思います。マナリノのバックハンドはスピードはそれほどないですが、弾道の低いフラット系のボールでバウンドした後低く滑っていました。ミルマンは高い打点での強打を封じられて攻めあぐねてしまっていた印象です。第1セットの第7ゲームでマナリノがブレークし、そのワンブレークを保って6-4でこのセットを取ります。

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マナリノのあまり力感の無い独特のバックハンド。低く滑るフラット系の球質は有明のサーフェースとも合っていたのではないかと思います。

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別角度からもう1枚。バランスを崩されかかっても糸を引くような真っ直ぐな弾道のボールが打てます。

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マナリノのバックハンドを受けるミルマン。低い打点で打たされているのが分かると思います。
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第1セットのスタッツ。

第2セットもストローク戦はマナリノが主導権を握っていたと思います。それでもミルマンがマナリノについていく行くことが出来たのはサーブが良かったからでしょう。どうにかサーブをキープし続け、4-3で迎えたマナリノのサービスゲームでミルマンは我慢強いストローク戦を展開し、この試合で初のブレークに成功。このブレークを守りきって6-3で第2セットを取ります。

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この日のミルマンは190km/h台のサーブがコンスタントに入っていました。

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第8ゲーム、マナリノの低く滑るボールを懸命に振り上げ我慢強いラリーをするミルマン。

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第8ゲーム、マナリノサーブの15-40でミルマンの打ったショットがウィナーになったと思い、ガッツポーズのミルマン陣営。しかし、実はミルマンのショットがアウトとコールされていて(お客さんの歓声で聞こえなかった)ポイントはマナリノに。このガッツポーズはぬか喜びになってしまいました。この後本当にブレークします。

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第2セットのスタッツ

第3セットはストローク戦もミルマンが優位だったように思います。第2セットを失ったことで勢いを失ったマナリノは精彩を欠き、これまで安定していたフラット系のボールにミスが出るようになってしまいました。ミルマンが第1ゲームのマナリノのサーブをブレークし、このセットもワンブレークを守りきり勝利しました。

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5-4でミルマンのサービング・フォー・ザ・マッチに向かう前のチェンジエンド。マナリノはグリップテープを巻き替えます。最後まで諦めないでプレーしてくれました。

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試合終了

サインボールの打ちこみが終わった後、ミルマンはスタンドでオーストラリアの国旗を振って応援してくれたお客さんに手招きし、タオルをプレゼントしていました。ミルマンの人柄を感じる場面でした。

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タオルをプレゼントするミルマン

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お客さんの声援に応えるミルマン

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次の試合が始まってしまうので選手はコートに長居できません。ミルマンはサインを書いてあげられなかったお客さんに“外で書くよ”と身振りで示しています。

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楽天カードアリーナの裏手でサインに応えるミルマン。

神対応」という言葉が昨今使われますが、この日のミルマンのファンサービスはまさにそれだったと思います。スーパーグットガイでした。私もすっかりファンになってしまいました。

 

ミルマンは昨日行われた2回戦でハリスに勝利し、本日行われる準々決勝でダニエル太郎と対戦します。