2019年 楽天ジャパンオープン ダブルス出場選手
今年の楽天ジャパンオープンのダブルスのエントリーリストが発表されました。
ATP Tokyo doubles - main draw pic.twitter.com/t4y7BWEcMh
— Michal Samulski (@MichalSamulski) September 20, 2019
ここでは普段ダブルスをご覧にならない方向けに選手の紹介をしたいと思います。そんなのは大会のオフィシャルの人達の仕事ですが、オフィシャルにやられては困るのです!!私が語りたいので。選手名のリンクはtennis explorerという外部サイトにリンクしています。()は9月16日付のダブルスランキングです。ドローが発表されたらドロー順にしたものに更新します。
*錦織圭の欠場に伴い、マクラクラン/錦織に代わってイングロット / クライチェク組の出場が決まりました(9/22)。
*エルベールの欠場に伴い、ダニエル / オズワルド組の出場が決まりました。なおこちらのTwitterによると、マウはロジェ=バセランとペアを組むようです(9/27)。
*ドローが発表されました(9/28)
マルセル・グラノイェルス(9位) / オラシオ・セバジョス(3位)
今年のUSオープン準優勝のペアです。グラノイェルスはシングルスもプレーしている選手で今大会はシングルスの予選にもエントリーしています。堅実なストロークを武器としている選手で、ジャパンオープンでは2016年大会のダブルスで優勝の経験があります。セバジョスは左利きの選手で同じくストロークが強く、特にフォアハンドを武器としています。ジャパンオープンは昨年別の選手とペアを組んで出場していますが、このときは初戦で敗れています。
二コラ・メクティッチ(18位) / フランコ・スクゴール(31位)
クロアチアのペアです。今年の4月から本格的にペアを組んでいます。東京オリンピックを見据えたペアだと思われます。メクティッチは基本的にはネットプレーヤーですが、ストロークも上手なオールラウンダーです。ジャパンオープンは2017年に出場したことがありますが、その時は初戦で敗れています。スクゴールは196cmと長身のパワーヒッターです。パワフルな1stサーブも武器なのですが、2ndサーブはこの身長にしてはあまり強くないというのが弱点でもあります。スクゴール個人としてはジャパンオープンは3年連続3回目の出場です。
ロハン・ボパンナ(43位) / デニス・シャポバロフ(68位)
ボパンナはインドの選手で193cmの長身です。リーチを生かしたサーブとネットプレーを得意としています。ジャパンオープンは2013年大会のダブルスで優勝しています。パートナーのシャポバロフは御存知シングルスで活躍するカナダの期待の若手です。この二人は固定でペアを組んでいるわけではないのですが、今年は既に7大会でペアを組んで出場しています(今大会が8大会目)。強烈なストロークを持つシャポバロフが後ろで作り、リーチのあるボパンナがネットで仕留めるというプレーの対比がはっきりしたペアなので、初めての方にも見やすいダブルスのような気がします。ちなみにボパンナは39歳、シャポバロフは20歳なので19歳差のペアです。恐らく今大会出場のペアで最も年齢差のあるペアだと思います。
ファブリス・マルタン(30位) / 内山靖崇(210位)
ワイルドカードで出場のペアです。この二人が組むのはこれが初めてです。マルタンはフランスのダブルス専門の選手です。198cm、100kgという体格でパワーのあるサーブが武器としています。今年の全仏オープンのダブルスで準優勝しています。 内山靖崇は御存知の通り一昨年のダブルスのチャンピオンです。
ラジーブ・ラム(15位) / ジョー・ソールズベリー(24位)
今年から組み始めたペアです。ラムは35歳のベテランでサーブを得意としています。ジャパンオープンは2016年大会で準優勝の実績があります。パートナーのソールズベリーは27歳でダブルスの選手としては比較的若手です。器用かつメンタルの強い選手で緊迫した場面でもプレーのクオリティが高いのが魅力です。親日的な選手で4月には試合と関係なく日本を訪れ、花見をした様子が本人のインスタグラムにアップされています。リターンはデュースサイドをソールズベリー、アドサイドをラムが担当します。
先週の中国の大会で初めてペアを組んだ二人です。ともにボレーを得意としておりオーソドックスなダブルスをプレーします。ニュージーランドのダニエルは独特なサーブのフォームが特徴的な選手。ジャパンオープンは2017年以来2回目の出場です。オーストリアのオズワルドは2017年から3年連続ジャパンオープンをプレーしていますが、過去2年はいずれも予選で敗れており、本戦をプレーするのはこれが初めてです。
オリバー・マラック(12位) / ユルゲン・メルツァー(36位)
オーストリアのペアです。共に経験豊富なベテランの選手です。。マラックはフォアハンドを得意としており、サーブ&ボレーをせず雁行陣でのプレーを好みます。グランドスラムでは昨年の全豪のオープンのダブルスで優勝という実績があります。メルツァーは左利きの選手で、かつてはシングルスでもトップ10に入ったことのあるオールラウンダーです。グランドスラムではウインブルドンのダブルスで優勝経験があります。またジャパンオープンも2009年大会のダブルスを制しています。
ルカ・プイユ(248位) / ヤン・レナード・ストルフ(55位)
エントリーリストで出場が表明された10ペアの中で、恐らく唯一過去に一度も組んだことのないペアだと思われます。プイユはランキングを見てもお分かりの通りほとんどシングルスに注力している選手でダブルスはあまりプレーをしていません。一方、パートナーのストルフは昨年大会をマクラクラン勉とのペアで優勝するなど、単複両方でプレーする選手です。昨年の表彰式ではプロレスラーの棚橋のモノマネを披露してくれました。
ドミニク・イングロット(45位) / オースティン・クライチェク(40位)
今年の6月から組み始めた比較的新しいペアですが、既に2つのツアータイトルをこのペアで獲得しています。イギリスのイングロットは198cmの長身からのサーブを武器としています。ジャパンオープンの出場頻度が非常に高い選手で2012年に初出場して以来、2015年を除いて毎年出場しています(つまり今年で通算7回目の出場)。クライチェクはアメリカの左利きの選手です。シングルスでもトップ100に入ったことがありましたが、今年から完全にダブルスに専念しています。ジャパンオープンの出場は今年で2回目。前回は2015年に内山靖崇とペアを組んで出場し、その時は初戦で敗れています。
ジャン=ジュリアン・ロジェ(19位) / ホリア・テカウ(21位)
今年で結成6年目になるオランダとルーマニアのペアです。このペアで2015年のウインブルドン、2017年のUSオープンを制している実力のあるペアです。リターンはデュースサイドにロジェ、アドサイドにテカウが入ります。オランダのロジェはダブルスの選手としては珍しい非常に厚いグリップのフォアが特徴です。ただ、プレースタイルは完全なネットプレーヤーで、リターンゲームでも積極的にネットに出ていくのが特徴です。パートナーのテカウはロジェに比べるとストロークにも力あるの選手ですが、こちらもネットプレー中心にしたプレーをします。
ノバク・ジョコビッチ(153位) / フィリップ・クライノビッチ(ランク無し)
このペアが今大会最大のサプライズでしょう。大会前はもしかしたら欠場かもしれないと囁かれていたジョコビッチがまさかのダブルス参戦です。肩は大丈夫なんでしょうか。今回のダブルス出場は間違いなく試合数を増やし、オリンピックに向けて有明のサーフェースの感触をつかむことが目的でしょう。それだけオリンピックに勝ちたいのだと思います。パートナーのクライノビッチはシングルスのランキングではセルビア国内で4番手の選手です。ダブルスにはほとんど出ないのでダブルスランキングは持っていません。この二人はキャリアを通じて過去3大会ペアを組んだことがあります。2015年のドーハの大会のダブルスではベスト4に入っています。
今年の6月から組み始めた比較的新しいペアです。クロアチアのパビッチは左利きの選手で、本人は得意なショットはバックボレーだと言っていますが、どんなショットもそつ無くこなすオールラウンダーで非常に器用な印象の選手です。グランドスラムでは昨年の全豪オープンのダブルスでタイトルを獲得した他、全仏、ウインブルドンのダブルスでも決勝進出の経験がある実力者。ジャパンオープンでプレーするのは今年が初めてです。パートナーのソアレスはブラジルの選手です。スイングが非常にコンパクトで力強いのが特徴でリターンを得意としています。グランドスラムでは全豪とUSオープンのダブルスで優勝経験があり、ジャパンオープンも2012年大会で優勝の経験があります。
www.atptour.com予選上がりのペアです。昨年もジャパンオープンに出場していますが、そのときは本戦1回戦で敗れています。インドのシャランは左利きの選手で、あまりパワーはありませんが回転量の多いサーブを打つのが特徴の選手です。ニュージーランドのシタックはオーソドックスなネットプレーヤーです。本人曰く得意なショットはリターンとのこと。
ルーク・バンブリッジ(47位) / マクラクラン勉(38位)
今年のUSオープンでベスト8に入ったペアです。実はバンブリッジの試合は観たことがないのでどんなプレーをするのか知りません。本人曰く得意なショットはフォアハンドだそうです。マクラクランは御存知の通り日本のダブルスのトップです。今大会は彼個人のジャパンオープン3連覇がかかっています。
フベルト・フルカチュ(629位) / ブノワ・ペール(103位)
共にシングルスプレーヤー同士のペアです。フルカチュは近年急速に力を付けてきたポーランドの若手です。ペールは何度も錦織と対戦しているお馴染みのフランスの選手です。この二人は年始の大会で一度ペアを組んでいるのですが、その時は初戦で敗れています。今大会と翌週のマスターズ1000上海の両方でダブルスを組むことを表明しています。
ニコラ・マウ(7位) / エドゥアルド・ロジェ=バセラン(28位)
今年のウインブルドン準優勝のペアです。マウはダブルスで4つのグランドスラム全てで優勝の経験がある実職者で、パワーと精度を兼ね揃えたサーブを武器にしています。ロジェ=バセランはかつてシングルスで35位までいった選手。弱点の無いオールラウンドなプレーができます。 ジャパンオープンでは2013大会のダブルスで優勝しており、グランドスラムでも2014年の全仏オープンのダブルスで優勝しています。