ダブルスファンの雑記

プロテニスの主にダブルスについて書くブログです

2022年 USオープン  総括

USオープンはラム / ソールズベリーの2連覇で幕を閉じました。同一チームによる2連覇は1995-96年のウッドブリッジ / ウッドフォード以来ということです。


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ラム / ソールズベリーは前哨戦のシンシナティでも優勝しているので、これでマッチ10連勝ということになります。今年のグランドスラムでの戦績も全豪ベスト4、全仏ベスト8、ウインブルドンベスト4、USオープン優勝と2週目に残れなかった大会はひとつもありませんでした。改めて抜群に安定感のある強いチームだなと思った次第です。

 

大会全体を総括すると、アップセットもあったものの結果的には第1シードのラム / ソールズベリーが優勝、第2シードのクールホフ / スクプスキが準優勝、第3シードのアレバロ / ロジェがベスト4と、極めて順当だったと思います。唯一第4シードのプッツ / ビーナスだけがシードを守れず、そのペアを下してベスト4まで勝ち上がったのはカバル / ファラでした。今年はまだひとつもタイトルを獲れていないカバル / ファラですが、ウインブルドンに続きグランドスラムでベスト4に入って復調の兆しを見せています。

 

私が優勝を予想したヘリオバーラ / グラスプールはそのカバル / ファラに敗れました。ヘリオバーラのブログによると前哨戦のモントリオール前から目に炎症が起こっていてあまりよく見えない状態だったようです。それで全米のベスト8であればまずまず立派な戦績ではないでしょうか。

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既に話題にしましたが、ソアレスが今大会をもって引退を表明したのは大変残念でした。翌週末にデ杯が控えていますが、そこにダブルス要員としてエントリーされているのはマトスとメリジェニだったのでデ杯出場を待たずに完全にUSオープンで引退ということのようです。

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日本勢に関しては1回戦でマクラクラン / スクゴールヨーランソン / 西岡というカードが実現しました。以前の記事にも書きましたが本来はマクラクランとヨーランソンが組んでいます。しかし、USオープンに出場するには二人合わせてのランキングが足りず、別々の選手と組むことになったらいきなり当たってしまったという珍事が起きた試合でした。下の記事を読むとやっぱり当人達も苦笑いだったみたいですね。結果はヨーランソン組が勝利していますが、そのヨーランソン組も2回戦でコキナキス / キリオスに敗れています。二人はそれぞれデビスカップの代表としてプレーしたのちに、ATP250のサンディエゴで再びペアを組んでプレーするようです。

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一流は周りが見えている、と思った話

もうだいぶ前の話ですが、今年の全豪オープン1回戦での出来事。デルボニスvsマルティネスの試合中にボールガールが熱中症で倒れるというアクシデントがありました。下の記事に添付されたTwitterではその救助にかけつけたデルボニスとマルティネスを称賛するコメントが書かれています。まあ、ボールガールが倒れていたらそりゃ救助に向かうのが”普通”なので、この行動をもって"紳士的振る舞い”と報じるのは言い過ぎだと個人的には思いますが…。

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デルボニスが映っていないので正確なことはわかりませんが、この動画を観る限り、ボールガールの異変に気付いたのは反対側のコートにいたマルティネスだったようですね。この点にはとても感心しました。というのもこの時のスコアはタイブレーク9-8でマルティネスがセットポイントを迎えたタイミングでした。ここ一番の集中力を高めたいタイミングで、それでもちゃんと周りの様子が見えているというのはなかなかできることではない気がします。

 

なんで半年以上も前の話題を今出したかというと、そのマルティネスが今年の楽天ジャパンオープンに来てくれるからです。マルティネスはコロナ禍の2021年7月に初めてトップ100に入ってきた選手なので、ジャパンオープンでプレーしたことはまだ一度もありません。初めての有明でどんなプレーを見せてくれるか楽しみです。

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楽天ジャパンオープン2022  シングルス出場選手発表

楽天ジャパンオープン2022のシングルスの出場選手が発表されました。

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予想はしていましたが、やっぱりちょっと寂しいエントリーリストになりましたね。やっぱりマスターズ1000上海が後ろに控えていないジャパンオープンは遠征先としては魅力に乏しいということなのだと思います。また、北米とオーストラリアの選手が多く、逆にヨーロッパの選手が例年に比べて少ない気がします。特に差を感じるのはフランス勢ですね。例年たくさん来てくれていたのですが、今年はまさかの0人です。

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参考までに同週開催のアスタナオープンのエントリーリストです。

うーん、正直結構持ってかれたなという感じがします。ジャパンオープンよりだいぶ豪華なラインナップです。ジャパンオープンの本選カットオフが83位なのに対し、アスタナオープンのカットオフは39位ですから、全体的な選手層としても上位の選手が割とカザフスタンに流れてしまったのがわかります。ちなみにジャパンオープンの前週に開催されるATP250の3大会の本選カットオフはそれぞれ、テル・アビブが67位、ソフィアが80位、ソウルが82位ですから今年のジャパンオープンは選手のランキングとしては大会のグレードとしては一つ下のATP250と変わらないということになります。

 

ただそうは言ってもキリオス、デミノー、シャポバロフといった人気選手が来てくれるのは嬉しいところです。個人的にはエバンスが来てくれるのが嬉しかったりします。

 

ダブルスはどうなるでしょうかね…。ジャパンオープンのAlternatesにはパーセルの名前があります。アスタナオープンの方には名前がないので、シングルスに出られるかどうかは別として恐らく日本に来てくれる意向があるのではないかと思います。出るならば十中八九エブデン / パーセルのペアでダブルスでしょうから、これは楽しみです。あとコキナキスとキリオスがともにシングルスのエントリーリストにいますから、この二人もほぼ間違いなくダブルスにも出てくるでしょう。それにヨーランソン / マクラクランワイルドカードで出場することになると思います。ワイルドカードはもう1枠あり、例年は内山靖崇と誰かのペアだったのでした。恐らくこれにはデ杯のダブルス要員である内山を育てたいという意図があったのだと思いますが、ここ数年のデ杯で結果を残せていないところ見るともうワイルドカードは彼には出ない気がします。内山に代わる日本のダブルス要員として次点で期待されているのは上杉海斗だと思うので、私はワイルドカードのもう1枠は松井俊英 / 上杉海斗のペアではないかと予想しています。

 

現時点で予想できるのはこの4ペアぐらいでしょうか。ダブルスのエントリー締め切りは9月の3週目までだと思うので、来週末には恐らくエントリーリストが出るのではないかと思います。

さようなら、ブルーノ・ソアレス

ブラジルのダブルスの名手、ブルーノ・ソアレスがUSオープン2回戦敗退後、インスタグラムで引退を表明しました。

 
 
 
 
 
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正直、そろそろなのではないかなと思ってはいました。このところあまり戦績を残せていませんでしたし、彼のインスタグラムを見ていると今年に入ってから子供の写真の投稿が多くなっており、なんとなくですが彼の生活のプライオリティがテニスではなくなりつつあることを感じてはいました。

 

ただ、それにしてもこのUSオープンで引退だとは思っていませんでした。なんとなくシーズンの最後までプレーするか、来年のリオオープンまでプレーするかのどちらかだと思っていたので、この報道は個人的にはショックでした。全米オープン閉幕後にはデビスカップも控えていますが、そこでのプレーの予定もどうやらないようです。

 

ソアレスは同胞のマルセロ・メロオーストリアアレクサンダー・ペヤ、イギリスのジェイミー・マレーなどとペアを組んできましたが、キャリアの最盛期をともに戦ったマレーとのペアでラストマッチを締めくくれたのは良かったのではないかと思います。

 

ソアレスは日本によく来てくれた選手で、キャリアを通じて8回ジャパンオープンに出場しています。そのうちの1回、2012年大会ではアレクサンダー・ペヤとのペアで優勝しています。

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私自身はソアレスの公式戦を観る機会には恵まれなかったのですが、2018年大会の時に綿貫 / 高橋ペアとの練習試合を観たことはありました。

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ソアレスが日本によく来てくれた理由の一つが、おそらく「ダブルスのアーリーラウンドでも見に来てくれるお客さんが多い」ということだったのではないかと思います。下のインスタグラムはソアレスが2017年のジャパンオープンの1回戦の後に投稿したものですが#greatcrowdというところに彼の気持ちが表れている気がします。また、同年同大会では彼自身が出場した試合ではないのですが、ダブルスの試合で満員になっている客席を観ての喜びを表現したツイートをしています(実際にこのときお客さんが満員だったのは他のコートでの試合が全て終わってしまっていて会場の中でこのコートでしか試合がやってなかったからなのですが、ソアレスがそのことを知っていたのかは不明です)。

 
 
 
 
 
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当然、今年もその雄姿が日本で観られるものと思っていただけに残念です。プレーもさることながら、ファンに対する対応の丁寧さにも好感の持てる選手でした。引退が惜しまれてなりません。本当にお疲れ様でした。

このブログのアイコンのソアレスの写真です。私の一番好きだった選手の一人でした

2022年 USオープン 展望

今年は例年になくエントリーリストが出るのが遅かったです。通常開幕2週前に出るのですが、今年は日本時間で8月26日土曜日だったのでかなり遅いですね。ほとんどドローが出るのと変わらないタイミングでした。

 

 

優勝候補筆頭は第1シードにしてディフェンディングチャンピオンラム / ソールズベリーです。前哨戦はモントリオールでは初戦で敗れましたが、シンシナティではきっちり優勝し、コンディションもしっかり整っていると思われます。ドロー的にも恵まれている印象で、準決勝まではこのペアの脅威となりそうな相手はいないように思います。

 

その準決勝でラム / ソールズベリーに対抗しうる存在として私が注目するのが全仏、全英と推してきたグラスプール / ヘリオバーラです。今季はラム / ソールズベリーに対し2戦2勝と相性が良いのです。このペアは今大会は第11シードがついていますが、ドローはかなり厳しく、順当に行けば2回戦ではクラーセン / メロ、3回戦で8シードのコキナキス / キリオス、準々決勝で第4シードのプッツ / ビーナスと、準決勝に至るまでのハードルはかなり高いのです。しかし、それでも私はこのペアの今の勢いと安定感なら上がってきそうな気がしています。

 

マクラクラン勉もトップハーフです。このところずっとスウェーデンのヨーランソンとペアを組んでいましたが、今回はクロアチアのスクゴールとのペア。なぜヨーランソンと組まなかったというと、下の内田暁さんの記事によればヨーランソンと組むとランキングが足りずに本戦ストレートインが出来なかったからということのようです。

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相方のヨーランソンは日本の西岡良仁とのペア。十中八九マクラクランが仲介したのだと思いますが、なんと1回戦でマクラクラン / スクゴール vs ヨーランソン / 西岡の対戦カードになってしまいました。64組も出場しているドローでなぜ…という感じですが当たってしまうものはしょうがないので4人とも頑張って欲しいと思います。ちなみに勝ったペアは2回戦でコキナキス / キリオスとの対戦の可能性が濃厚です。

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ボトムハーフは上半分はなんだかんだで第6シードのメクティッチ / パビッチが上がってきそうな気がします。シード順で言えば彼らより上の第3シードのアレバロ / ロジェがいますが、全仏以降いまひとつなので安定感で勝るクロアチアペアの方が有望だと思います。ただ、パビッチがウインブルドンで負傷した右手首の具合が気になるところです。ウインブルドン以降で出場したのは2大会のみでその2大会もそれぞれ2回戦で負けていますから、コンディションに少し不安が残ります。

 

ボトムハーフ下半分は前哨戦のモントリオールを制した第2シードのクールホフ / スクプスキウインブルドンのチャンピオンのエブデン / パーセルの一騎打ちと思われます。エブデン / パーセルは今年のウインブルドンではポイントが付かない関係で今大会はノーシードですが、間違いなく最強のノーシードでしょう。両ペアは順当に勝ち上がれば3回戦で激突します。今年既に3度対戦がありエブデン / パーセルからみて2勝1敗。エブデン / パーセルが勝ったのはいずれもグランドスラム(全豪と全英)での対戦です。エブデン / パーセルは前哨戦の結果が芳しくないのが気になるところですが、全英を制したことで気持ち的にもこれまでと違う形でグランドスラム入りしてくるでしょうし、今大会でも何かやってくれそうな気がしています。

 

総じて私の予想は次の通りです。

・優勝:グラスプール / ヘリオバーラ

・準優勝:エブデン / パーセル

・ベスト4:ラム / ソールズベリー、メクティッチ / パビッチ

大丈夫?今年のジャパンオープン

3年ぶりに楽天ジャパンオープンの開催が決まりました。公式サイトではすでにチケットの販売も始まっています。

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テニスファンとしては大変嬉しいのですが、今年のジャパンオープンに選手はどのくらい来てくれるのか、というのは少し不安があります。今回はそのことについて書きたいと思います。

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T.ヒューイ / J.P.スミス vs マクラクラン勉 /A.ヨーランソン

オドラム・ブラウン・ バンクーバー・オープン ダブルス決勝

マクラクラン / ヨーランソン  6-7 7-6 11-9  ヒューイ / スミス 

 

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↑こちらで試合がストリーミング配信されています。

 

シーズン半ばでクラーセンとのペアを解消したマクラクラン。新しいパートナーは先のデビスカップで対戦したスウェーデンのヨーランソンです(以前の記事では“ゴランソン”と表記しましたが、発音的にはテニスマガジンの表記“ヨーランソン”が近いみたいですので改めたいと思います)。ヨーランソンのプレーは私もこのとき初めてみたのですが、派手さはないものの堅実なプレーをする選手という印象でした。デ杯での対戦の時は特にリターンが良かったと思います。

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マクラクランと組むのを知ったときには、マクラクランの弱点であるリターンを補えるので良いペアリングではないかと思っていました。しかし、いざ蓋を開けてみると11大会出場してうち6大会で初戦敗退といういまひとつな戦績。これは早々に解散ではないかと思っていた矢先に、チームとして12大会目先週のシカゴチャレンジャーで優勝し、今週のバンクーバーでのチャレンジャーでも決勝に勝ち上がってきました。

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意外だったのがリターンのサイドです。本来はマクラクランはデュースサイド、ヨーランソンがアドサイドの選手なのですが、シカゴでもバンクーバーでもヨーランソンがデュースサイド、マクラクランがアドサイドに入っていました。何かの記事でマクラクランはリターンのサイドをデュースサイドにしてから良くなったということが書いてあった気がするので、マクラクランがアドサイドというのは驚きました。いつからこの形になったのかはわからないのですが、これで結果が出ているのでこのチームにはこの形が合っているのでしょう。私の推測ですが、リターンの良いヨーランソンをデュースサイドにすることでリターンゲームの最初のポイントの取得率を上げたい狙いがあるのではないかと思います。

 

対するヒューイ / スミスはともに現在のランキングは100番台ですが、かつてはツアーレベルでプレーしていた実力者です。フィリピンのヒューイは2016年のウインブルドンでミルニー(現在の錦織のコーチ)とのペアでベスト4に進出し、同年のマスターズカップにも出場しています。オーストラリアのスミスは2019年の全豪オープンのミックスダブルスで準優勝の実績があります。ヒューイもスミスも左利きの選手で、どちらも普段はアドサイドでプレーすることが多いのですが、この試合はヒューイがデュースサイドに入っていました。どういうわけだか会場にはヒューイのファンがたくさんいたようで、応援はヒューイ / スミスのペアのほうが多かった気がします。

 

ヨーランソン / マクラクランは相対的にサーブの弱いヒューイのサービスゲームを明らかに狙っていたと思われます。事実、第1セットでは5-5で迎えたヒューイのサービスゲームで0-40のチャンスを作りました。しかし、ヒューイもスミスもそこは実力者です。簡単にブレークはさせません。ヒューイのサーブはスピードこそ乏しいものの特にアドサイドでは配球が良かったと思いますし、前衛スミスは甘く入ったリターンは逃さずポーチしてプレッシャーをかけてきました。結局、ヨーランソン/マクラクランはこのゲームも含めて都合5回あったブレークチャンス(全てヒューイのサービスゲーム)をものに出来ず、逆にタイブレークを落として第1セットを奪われます。

 

第2セットは5-5で迎えたヨーランソンのサービスゲーム落とし、サービス力のあるスミスのサービング・フォー・ザ・マッチを迎えてしてしまうという大ピンチに陥ります。ここでも30-0と先行され、ヨーランソン/マクラクランは敗退まであと2ポイントという崖っぷちにおいこまれますが、ここから怒涛の4ポイント連取で追いつくと第2セットもタイブレークに入ります。タイブレークも先に2ブレークを許し0-3と先行される苦しい展開でしたが、ここから5ポイント連取ですぐに追いつけたのが良かったです。その後は一進一退の攻防の末9-7でこのタイブレークをものにします。

 

迎えたマッチタイブレークも、ヨーランソン/マクラクランは相手ペアに先行を許してしまいます。しかし、8-7で迎えたヒューイのサーブで、恐らく決め打ちだったと思われるマクラクランのストレートリターンがヒューイ/スミスの逆を突く形となって決まりブレークで並ぶことに成功。その後互いにキープを重ねて迎えた9-10でのスミスのサーブで、スミスが割とイージーなスマッシュをミスしてしまい試合終了となりました。

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これでヨーランソン/マクラクランは2週続けての優勝。チャレンジャーとはいえダブルスで連続優勝というのは難しいですから素晴らしいことだと思います。

 

ヨーランソンはバックのリターンが良かったですね。丁寧に逆クロスに流すのも、引っ張ってストレートに強打するのも両方上手かったです。マクラクランは相変わらずサーブがいいですね。彼のサービスゲームは見ていて本当に安定感があります(事実この試合ではマクラクランのサーブではブレークポイントさえありませんでした)。

 

課題となるのはマクラクランのリターン、特にバックのリターンではないかと思います。この試合では相手が二人ともレフティーだったのでそこは差し引かなくてはなりませんが、やはりマクラクランのバック側にサーブが入るとそれほどいいリターンがいかない印象は残りました。フォアに回り込んでリターンする場面もありましたが、そのときはポジションがかなり下がった位置から打つ形になっていたので、これもどこまで相手にプレッシャーになっていたかは微妙なところです。

 

この試合に関してはスコア的にも内容的にも薄氷の勝利でした。もちろんこういう厳しい試合を勝ち切ったのは素晴らしいことなのですが、欲を言えば5度のブレークポイントがあった第1セットは取りたかったです。このセットを取っていればここまでもつれずに試合は終わっていたかもしれません。こういうところでしっかりブレークするためにもマクラクランのリターン力を上げたいところです。

 

今後USオープンを経て楽天ジャパンオープンにも出場すると思われます。そこでのプレーも大変楽しみな二人です。

 

~追記~

このペアについてライターの内田暁さんの書いた記事を見つけました。マクラクランとヨーランソンは大学の先輩、後輩で学生時代にも組んでいたんですね。

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